03/18 「結婚論」

 というわけで、ちょっと前にも書きましたけども、弟の結婚式があったわけですよ。
 いやな、別にいいんですよ。そらね、弟だった結婚しますよしますさそれは。いつまでも童貞の兄の結婚待ってたってキリがないですからね、そんなものはどうだっていいといいますか、まあ、そういうもんだろみたいなこともあるわけです。
 あたしなんかはもう筋金入りの不細工といいますか、いや不細工ってのは面構えだけの問題ではなくモテない要素を寄せ集めたらこんなんできちゃいました的なあれですからね、まあそれはそれでいいんですけど、逆に弟はあれなんですよ、もうその真逆。兄から見てもだ、モテモテとはいかないまでも、まあ、こういう人が女の子にはモテるよね、みたいな感じといいますかですね、大学時代はテニスサークルに所属してギターかなんか弾いてみたいな、そういうなんてかな、まあいまどきの若者ですよ。どうして兄弟でここまで差が出るのかさっぱりわからないもの。
 だからまあ、別に先に結婚するってなことについてはまあそうでしょうそうでしょうってなもんなんですけど、しかしあれだよなあ、こういうときってのはどういう顔したらいいのかわからないもんですなあ。
 いやま、弟のほうはもっと難しいというか、この36になって『アイドルマスター』のライブでフッフー云ってる兄をどう扱っていいのか的なことだと思いますし、なんてんですかね、ハゲの人にハゲって云うようなもんじゃないですか誰がハゲだ誰が。
 また例によって例のごとく話がとっ散らかる前にですけども、まあ結婚ですよ。ちょっと前までファミコン取り合って喧嘩してた弟が結婚して家庭持つってんだから、まああたしだってハゲるわけですよ誰がハゲだ。もういいからそれは。
 そらね、あたしだって童貞ですけど36ですし、弟だって30過ぎてるわけですから、女性とお付き合いもすれば結婚もするでしょうしね、そらセックスだってするでしょうよセックス。もう下世話なことこのうえないな。
 しかしな、やっぱりあれだ、人生の基盤ってのは結婚だと思うんですよこれ。やれ墓場だなんだ云う人もおりますけども、墓場だって入ってみれば意外と快適かもしれないですしね、社会において結婚して家庭を築くってのがどれだけ意味あることかってことですよ。フッフーしててもカロリーが消費されるだけですけどね、ベッドでフッフーすれば生産活動ですよ、なんていうどうよオヤジみてえな下ネタ。もう云ってること最悪だな今回。
 ってなわけで、ここを長いこと見てる人にはある程度おなじみといいますかそういうあれかと思いますけど、たぶんあたしはあれなんだな、結婚願望ってんですか、そういうのが強いんだと思うんですよ。
 いやまあね、これを見てる明日から期末試験だみたいな未来ある若い世代からすれば、またよくテレビとかでやってる「婚活」みてえなだよ、どこか悲しい響きに人のことなのにそこはかとない失笑と悲しみを覚えていることと思いますけども、いやそういうもんなんだって。20歳で彼女いないくらいだと「まああと10年くらいでできるだろ」で、25歳で「そろそろやばいけど、まあ30歳までにはなんとか」になって、30歳になって「いやこれほんとにやばいけどまあ向こう5年くらいには」になってだ、35になって「もう後がねえよ」ってことに気付くわけだ。いやマジで。
 そういうあれだから、そういうなんだ、明日から期末試験みたいな若人はだな、こんな悲壮感あふれるサイト見てねえで青春しろ、青春。ほらクラスとかサークルとかに1人2人いるでしょう、新しく入ってきた女の子とかに誰かまわず声をかけてだ、なんか妙になれなれしいオトコが。ああいうのってさ、当時からすればなんだこいつうっとおしいなあってなもんなんですけど、実は今現在勝利してるのはああいうほどよいなれなれしさを持ったやつなんですよいやほんとに。
 だいたいさ、あたしが中学生くらいのときなんてのはだ、25歳とかそのくらいになればだね、あたかもベルトコンベアで運ばれてきた電子部品にハンダ付けされるかのごとく、勝手に恋愛して結婚できるみたいなそういうイメージがあったわけですよ。なにを根拠にそんなこと思っていたのかわかりませんけども、そのなんだ、結婚できないなんていう状況を想像すらしなかったわけだな。
 もちろんいまでこそコンカツだとか結婚できない男女とかそういうのがテレビとかでも特集されてますけど、当時はそういうのあんまりありませんでしたしね、まあそのなんだ、普通に生きてれば普通に結婚して普通に家庭を持てるみたいな、なんかそういうようなあれだったわけですよ。
 だもんでさ、恋愛だの結婚なんてものはだ、なんら特別なものではなかったはずで、それだけにこんなものに難儀するなんてのはね、それこそ息をするのが難しいみたいなそういうことだと思ってたわけだ。
 そこへきてだね、ある程度の歳になるとだ、これはもしかしたら誰でもできるものではないのではなかろうかということに気づいて絶望するわけなんだよ。
 そう考えるとさ、世の中の多くの人はそんなに困難なことをさらっとこなしてるわけでな、なんかもうただただすげえなあとこう思うわけなんですけど、あの結婚式ってやつのなんともいえない、悪いでもないいいでもない居心地ってんですかね、あれはいったいなにから来るものなのであろうなあ。いや、別にああいう雰囲気きらいじゃないんですけど、なんだろうな、あれってこうはしゃいでいいのかなんなのかよくわかんないっていうか、ましてやそれが親族っていうかそういうあれだったりするとだな、もうどういう態度でいていいのかわからなくなるわけだなこれが。なんかもう母方の親戚のおっちゃんたちなんか始まる前から酔っぱらって顔真っ赤にしてるしな。
 親族ですらそれなんだから、あの当事者ってのかな、実際にあれをやる側ってのはどういう気持なのか、これはものすごく興味あるわけだな。だってあれですよ、舞台の向こう側でこうなんかよくわからないままひたすら座って話したりなんかしてるわけでな、しかもあれって自分は祝われる側でかつもてなす側っていう、そんなの『ないた赤おに』以外で聞いたことないシチュエーションじゃないですか、それが当たり前だってんだから興味あるわなあ。最近は結婚式やらない人も増えてるっていいますけど、生涯において結婚式なんて結婚するときしかできないんだから、これはやっとくべきなんじゃねえかなと思うわけですよ。もうな、なんか意味のわからないゴンドラとかで降りてきたいもの。見てる人が引くくらいのやつ。
 まあそんなこと云ってたってとりあえず結婚しなきゃできないわけだけどな。おめでとう弟。


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