06/29「麻雀論」

 ということで、今でこそ『咲』とかで麻雀ってのはまたメジャーになってきてますけど、一時期はよく云われる「○○離れ」の一環として「麻雀離れ」があったくらい麻雀ってのは影の存在になりつつあったワケですよ。
 あたしはアレですよ、大学に一浪して入って、さらにあまりに勉強が大好きすぎて一留して、結果5年間大学にいたわけなんですけども、その5年間で学んだ、今後の人生のうえで役に立つ唯一のことが麻雀でしたからね、別に強くはないしむしろ弱いほうだと思うんですけども、それでも学生時代はもうホントに麻雀に明け暮れていたといっても過言ではないワケです。
 大学に入るまでは、っていうか大学に入ってしばらくは麻雀なんてやったこともなくて、もっと云えば興味もなく、パチンコとかそういう類のギャンブルだろどうせ、くらいの感じだったんですけど、こうなんてんですか、同じサークルのひとたちがみんな揃いも揃って麻雀好きだったうえ、あたしが通ってた早稲田の周辺ってのは日本でいちばん雀荘が多く、かつ値段が安いところだったこともあり、ほんとに4人集まれば授業ほっぽらかして麻雀に行く、みたいなひとたちばっかりだったわけです。  そうするとこうなんだ、麻雀ができないってのはその和に入れないってコトですからね、これがつまんないんですよ。せっかく何人か集まってもみんなで雀荘行っちゃって話し相手がいなくなっちゃうわけですからね。
 でまあ、そういうあたしを見かねたのか、先輩の一人が「お前も麻雀覚えろ」みたいな感じで雀荘に連れて行かれて、だいたいの大雑把なルールだけを教えられていきなり実戦に放り込まれて、それからなんとなく覚えていったワケなんですけども。ちなみにはじめて和了った役はチャンタでした。もうそのあたりからいい牌には恵まれてなかったんでありますな。
 麻雀ってやったことあるひとにはわかると思いますけど、見た目以上に駆け引きだったり、あるいは場を読む力とか、数学的なんですよね。理詰めで考えていくと強くなれる感じってのがあって、あたしはそういう思考がものすごく苦手ですからね、はっきり云えば弱いんですよあたしは。弱いんだけどまあやるのは好き、みたいなのってあるじゃないですか。
 麻雀はやる場所によって細かいルールが違うんですけど、わたしが覚えた環境っていうか、そのサークルで4年間打ってたルールってのが結構むちゃくちゃで、「赤アリドラ2枚割れ目あり」という、そのまあなんだ、麻雀わからない人にはなんのこっちゃだと思いますけど、野球で云えば、やたらヒットがでやすいうえ、一度ヒットを打つと一気に五点くらい入ることもあるみたいな、そういうインフレルールだったんですよ。
 でまあ、こうサークルの中に強い人が多くて、そらもうね負けたわけですよ。いやもちろんお金を賭けたりはしてないですよだってそれは犯罪じゃないですかそんな悪事に手を染めるわけなんかないですよそんなものは、だからこう負けてもなんだろうなあ、こう心のポイントってんですか、そういうものが減らされるみたいなことなんですけども、まあ負けられないからってんでこう叩き上げられるわけですね。しかも先にも書いたとおりのインフレルールですから、いちど負けるとすんごいことになるわけですよ。ああいや心のポイントがね。
 でな、卒業してからサークルの人以外の人と打つようになってみるとだな、これがもう普通に戦えるわけですよ。あれ?ってくらい。なんかもうなんだ、きついところで戦い続けたおかげで普通が普通でなくなった感じ。正月もゴールデンウイークもないうえむちゃくちゃ安月給で上層部がうるさいワンマン会社を辞めて別の会社に入ったらまるで天国だったみたいな。それもあたしのことだな。
 だからもう弱いのか普通なのか、自分の実力のほどははっきりいってよくはわからないんですけども、まあ少なくともその程度には毎日麻雀漬けだったワケです。
 いまでも誘われれば行きますし、ときどき急に麻雀打ちたいなあと思うこともしばしばありますけども、結局あれって4人いないとできないですし、場所もアパートの一室なんかでやってたら即隣の住人が怒鳴り込んでくること必至ですからね、なかなか難しいワケです。
 だったらセットじゃなくてフリーに打ちに行けばいいじゃんってなところでもあるんですけども、あれなんですよ、もちろん麻雀そのものも好きなんですけども、それと同じくらい、麻雀を打ちながらするバカ話っていうか、そういうのが好きなんですよ。だもんでさ、フリーで打ってて『咲』のくろちゃんいいよね、とかそういうハナシできないじゃないですかたぶん。そこで花澤さんの声がいいね、とか帰ってこないわけですよ。来るかもしれないけど。
 だもんでさ、やっぱり4人いてはじめて成立するっていうか、あれっていま考えるとコミュニケーションの手段としてはなかなか優れてると思うんですよね。4人がずっと同じ場所に座ってて、よほどガチな、プロ麻雀みたいにゲームに必要なこと以外一言もしゃべらないみたいな勝負でもない限りはなにかくだらないことでも話さなければならないし、展開によっては割とこう場合によっては本性も見え隠れするし、みたいな。負け続けてるときにもう近寄りがたいくらい負のオーラ出す人いますからね。
 昔、サラリーマンの一般常識として麻雀があった時代ってのもあったみたいですけども、それもあながち間違ってないっていうか、そういうのはあるわけですよ。もちろんゲームだから勝った負けたが出てきてしまうんでそのあたり難しいところですけど。
 そういうことからすれば、『咲』の功績ってのは大きいわなあ。少なくともみんな大雑把にルールだけは把握してるって人も多いし、あれを見て麻雀を勉強し始めたって人も多いし。まあ尤も、覚えていけば覚えていくほど、かならず海底で和了るとか、かならず嶺上開花で和了るとかってのがむちゃくちゃだってのに気付かされるんだけどもな。
 ってなわけなんで誰か麻雀やろうぜ麻雀。6人しか見てないサイトで4人集めるのむちゃくちゃ難易度高えな。
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