08/21「愚痴論」

 ということで、まああれですよね、常にこうマメに更新しようというそういう欲求はあるわけなんですけどね、身体がおいつかないわけですよ。いやもうほんと心の奥底から更新したいっていう思いはあるんですよ、そういう思いは買っていただきたい。
 まあ、そんな言い訳してみたところでやっぱり所詮は2週間ぶりの更新ですしね、まああれだな、せっかくだからちょっと愚痴ろうかな。
 あたしが仕事をしている業界と云うのは、まあ今更知っている人は知っているっていうか過去にも何度か書いてるんで別に隠すようなことではないんですけど、本を作ったりするいわゆる出版業界なんですが、なんか最近この業界そのものになんとなく幻滅することがすごく多いんですよ。
 いるのかどうかわかりませんが、就職活動中の学生さんなんかがこれを見ていたりなんかすると、割とこの出版業界ってなんてかこう憧れとまではいかないまでも、漠然とそういう仕事をしたいなあと思っている人は多いんじゃないかと思うんですよ。あたしもそうでしたしね、それはもうぜんぜんいいんです。
 そういう人が入ってきたら是非とも変えてもらいたいのが、この業界の悪しき風習というか、もっと云えばそのなんだ、「志の低さ」なんですよ。いやこれもしかしたら出版業界だけじゃなく、いわゆる「企画職」という、これもまた学生さんたち垂涎の仕事全般に云えることかもしれませんが。
 企画職の仕事は、企画を立てることです。企画ってなにかって云えば、大げさに云えば世の中の流れを読んで売れる商品を仕掛けるということなんですけど、この長引く不況のせいか、最近の企画職の考え方は、その「売れる商品」に対するアプローチが「いかに売れるものを考えるか」ではなく、「いかに売れてるものの二番煎じをするか」になってるわけです。
 たとえばゲームなんかすごくわかりやすいと思うんですが、脳トレがヒットしたらもう猫も杓子も脳トレ。こんなもん企画とは云いません。ただの猿真似です。よく笑い話で、ゲーム会社の面接で「どんなゲームが作りたいですか」という質問に対して、「ドラクエみたいなやつ」と答える人が多い、なんてのがありますが、そいつらはこの人たちを笑う権利はありません。
 まあ、こういう二番煎じは昔からよくあることではあるんで、別に今に始まったことではないんですけど、最近はもうむちゃくちゃ露骨ですよね。売れればなにしてもいい、みたいな風潮さえある。これでプランナーを名乗ってるんならそいつは直ちに田舎へ帰れ、みたいなゲームも多いです。
 んで、これはもう本も同じで、なにか新しいことを提案するという「企画職の仕事」を一切放棄して、「アレが売れてるから似たようなやつ」が多いこと多いこと。漢字の本が流行れば漢字漢字、面白画像の本が流行れば面白画像面白画像。プライドとかそういうのはねえのかってなもんです。
 最近、よく出版不況が云われてて、電子書籍がとかネットがとかいろいろ云われてますけど、結局一番の原因は、そういう何も考えてない二番煎じしか作れない企画職が増えたせいで本そのものに読者が飽きちゃったんじゃないの、と思うわけですよ。これはゲームとかもいっしょだと思いますが。
 こっちは必死になって、それこそわが身を削って企画作って世の中に出して、失敗してる中でうまく軌道に乗ったのもあって、それを一所懸命に育ててる一方で、そうやって誰かが身を削って作って受けたものだけ乗って安易に二番煎じ三番煎じを作る。そら楽でしょうなあ、と思うわけです。なーんにも挑戦も企画もしてないんですからね。あたしゃお前らの二番煎じのために企画作ってんじゃねえ!と云いたくもなるわけです。
 ほかの会社の人がなんか面白い企画の本を出して、それが売れたという話を聞けば、それは素直に凄いなあと思いますし、こっちももっとがんばらにゃなあと思うわけですけど、そうかと思ってるとすぐそれに二番煎じが出る。なんでこうプライドがねえのかなあ、と毎回呆れざるをません。
 まあ、企画職だって遊びじゃないんですから、売れなきゃ意味はないわけですけど、「自分の考えたものを売る」のはそれなりに大変ですし勇気も要りますが、「誰かが考えたて売れたものに乗っかって売る」のに脳味噌要りませんからね、誰だってできるわけですよ。そんなんで面白いものなんかできるわけがない。読者の人が飽きたって当たり前の話です。それしかできないんなら今すぐ企画職なんか辞めて田舎へ帰れってなもんです。
 尤も、これも今にはじまったことじゃないといえばそうなんでしょうけど、こんなことばっかしてると、結局超が付くほどの有名作家とオリジナル企画の二番煎じしか店に並ばなくなるぜ、と思ってしまうわけで、これからどんな業界でも企画職に就きたいと思っている人がこれを読んでいたら、是非とも自ら「二番煎じなんかやってられるか!」と云えるような気概でやっていただきたいなあ、とこう思うわけです。  そういう挑戦をするからこそ企画職って面白いんだし、やりがいもあるんだと思うんですけどね。そういうのどうでもいいやっていうそういうのは、もうはっきりと「志が低い」わけですよこんなものは。
 ……というような仕事の愚痴を云ったところでですね、まあじゃあせっかくだしついでだから私生活の愚痴も云おうかな。なんだ久しぶりの更新が愚痴ばっかりか。いいじゃないかたまにはそういうこともあるよあるさね。そんなことばっかりだけどな。
 いやね、今日電車乗ってたらさ、なんかカップル乗ってきたんですよ、カップル。まあ別にそれはいいんですけど、なんかこいつらがさ、携帯電話でこうなんてのかなあ、二人揃った江面を携帯電話のカメラで撮ろうとしてるのな。うまく云えないんだけど、なんかこう自分撮りモードみたいなやつで二人揃ったところを撮ろうとしてるわけさ。
 あのな、そりゃ君らは今もう猛烈に幸せでなんかよくわかんないけどデートかなんかの途中でさ、これからディズニーランドのひとつでも行くのかもしれませんよそれは。でもこっちはこれから仕事なわけですよ。そこへきてなにテンション上げてるのか知らないけどすげえ楽しそうに二人揃って写真なんか撮りだしてさ、なんか二人の後ろの窓かなんかに血まみれの爺さんの顔かなんか写ってねえかなあと思うわけですよ。よくあるじゃないですかそういうシチュエーションの心霊写真。
 いや別にいちゃつくなとは云いませんけどね、なにもあんな通勤電車の中でいちゃつくことはないじゃないかと。そらまあ満員電車とかじゃなくてそんなに混んでない電車ではありましたけどもね、そういうことじゃないだろうと。
 それともあれか、彼女とかできるとのべついちゃついていたくなるとかそういうあれでもあるのか。あたしもなんかそういう風になれば都営新宿線の車内で二人で携帯電話の写真を撮りたくなったりするのか。それの割にはカップルが写真撮ってる率少ないぞ都営新宿線。
 なんかわかんないけどもさあれですよ、すごい浮かれぽんちなんだと思うんですよ。もう楽しくて仕方がないってか、どうじゃ俺しあわせだろうみたいなそういうあれだと思うんですよ。そんなね、目の前に33歳童貞がいるだなんてことを思ってる余裕はないみたいなそういうアレだと思うんですよ。
 だけどもだ、世の中にはいろんな人がいるんだと。世の中には33歳で童貞で生まれてこのかた一度も彼女がいたことがない人間だっているんだと。そんなねあれですよ、こんなものね、ケースが違えば国交問題から戦争ですよ、戦争。アパルトヘイトですよ。もう意味とかさっぱりわからないけども。
 しかもあれですよ、もうね、予想以上にべたべたひっついてるの。外は30度とかあるんだからさ、そんなん暑いだろうになんかもう腕を組んで身体くっつけてこれでもかってばかりに密着して目を閉じちゃったりしてなんなんだあれは。ドラマの主人公にでもなったつもりか。恋人同士だというだけであそこまでほかの世界ほっといて自分だけの世界に入れるもんなのか。すごいな恋人同士。誰か恋人になってください。
 もう愚痴なんだかなんだかもよくわからなくなってきた。あ、DSiLL買ったよ。

<近況報告>

戻る