12/23「熱中論」

 ということで、えてして「ハマる」という感覚と云うのは第三者からしてみるとこれはこれで実に理解し難いもので、音楽なんかにしても「この曲すごいいいんすよ」とか云われてもいまいちぴんとこないことなんてのは多々あります。
 音楽なんてのはもう完全に「合う」「合わない」の世界なので、余計にそういうことが起こるわけでして、あたしがいくらここで「さだまさしさんはほんとに素晴らしいです」と云ってみたところで、やっぱり合わない人にとっては合わないわけです。これはもうどうしようもない。
 こう云う感覚というのは特にオタク的な趣味に顕著で、たとえば「いやもうこのアニメすんごい面白いんですよ」とか、「このゲームめちゃくちゃ面白いですよ」みたいなこと云われて見てみても、そうかなあそれほどでもないけどなあ、というのは往々にしてあるわけです。
 なもんで、あたしは基本的に人にモノを薦めません。あたしと実際にお付き合いのある人でここを見ている人というのがどれくらいいるのか知りませんけど、そういう方であればなんとなく思い出していただければと思いますが、「これが面白い」という話はしても、「ぜひ見てみて」とは云いません。
 だってあれじゃないですか、なんかこう人にモノを薦められて、ああそうなんですかって聞いてそのままってわけにはいかないじゃないですか。だからなんか見なきゃいけないみたいな義務感を持たせてしまうのも嫌だし、いざそう云う義務感で見ても面白くないと思うんですよ。ましてそれが根本的に自分の趣味に合わないものだったりしたらもうどうにもならないわけですけど、それでも面白くないなあと思ったらなんか失礼みたいなところあるわけです。書いててもうどんだけ気弱なんだと思ったけどもういいです。そういう性格なんです。
 つまるところ「これ面白い」という話に共感していただいて、ああじゃあ見てみようかなあと個人的に思っていただくのはすごくありがたい話で、ゲームレビューなんかがそういう一助になればというのはありますし、それで面白いと思ってもらえるのはさらにありがたくはあるわけですが、まあえてしてそういうことというのはめったにあることではないのだなあ。
 尤も、あたしの場合はすごくいまさらなものが好きになることが多いので、そう云う意味でもちょっと人には薦めにくいという事情もあったりなかったりなんですけども。『ストライクウイッチーズ』なんてもうブームが一段落したころだったもんな。あの頃のみんなの「いまさらなに云ってんのばかなんじゃないの」という目は忘れないよ!
 まあでも逆に人にモノを薦められるのは、「必ず見なければならない」という強迫観念さえなければ嫌ではないので、面白いものとか教えていただけると店頭で見かけたときに思わず買ったりしますのでよろしくお願いします。実は割と薦められたものは買ったりしてるんですよいやほんとに。やれてないものとか見られてないものも多いですけど。そういうことなんで、薦めたものについては気長なスパンでお待ちいただけると幸いでございます。
 それはともかく、表層的なところで面白いと思っていても、「ハマる」っていう感覚はそれよりも一段階深いものなわけじゃないですか。
 まあそのなんだ、たとえばですけど、最近のアニメとかで云えば『けいおん!』とか好きですよ、好きなんですけど、それじゃあなんだそのグッズならなんでも買うとか、登場キャラクタと同じギターとかを何万円も出して買うとか、もっとアレになるとキャラクタといっしょにクリスマスを迎えるとかそういうあれができるほどハマってはいないわけでして、その「普通に好き」と「ハマっている」の間にはそれはそれは深い溝があるわけです。
 もうね、「ハマっている」人のテンションたるやそれはそれはものすごいものがあるわけですよ。あたしも経験あるからわかりますけども、もうそういうのって宗教のそれに近いですからね、別に使いそうもないしょうもないものでもグッズが出れば買うとかもう教祖様の本とかを無条件に買うのと同じじゃないですか。
 という例えからすると、ふとそういうハマってたものに飽きる瞬間というのは、まさにその宗教からの洗脳が解けたときのようなあれでして、なんてかな、ふと我にかえるんですよね。
 これはなにもオタク的ななにかだけではなくて、よくあるじゃないですか、ヒット曲なんかを聴いて「わたしにとって一生ものの人生応援歌」みたいなことを云ってたのに、半年後にはもうなんかちょっとかっこ悪いものとして扱われてたりとかそんなような。あれだけ三木道三を好きだって云ってた人たちは今どこにいるんだってなもんですよ。それを「一発屋」とか云って笑うのは、実はものすごく失礼な話じゃないかとこう思うんだ。
 そう云う意味においても、なんかこう、人は誰しも多かれ少なかれそういうものを経験してきているのだと思うんですよ。
 あたしらの世代で云えばビックリマンとかですよね。もうね、あのビックリマンというやつ、云ってみればただのシールじゃないですか。キラキラしてるからって公衆電話に突っ込んだら電話ができるとか、東京証券取引所に持っていったら値段がつくとかないわけじゃないですか。
 ところがだ、小学生の時分のあたしらときたら、もう家が燃えてもビックリマンシールだけは守りぬくくらいの勢いで大切にしてたわけですよ。なんかもう鉄の海苔の缶とかに入れてたもの。
 この不況の昨今、たかだか30円のチョコレート菓子とはいえ入荷して即売り切れるとか今考えればありえないと思うんですけど、もうねなんてかな、まだインターネットとかない時代ですからね、口コミだけが頼りで、パークショッピングセンターに入荷したと聞いては自転車を飛ばし、北田屋に入荷したと聞いては自転車を飛ばし、京王ストアに入荷したと聞いては自転車を飛ばしてガセ情報に泣いたり散々探しまわって一人三個の購入制限に買った三個が全部たいして価値のないいわゆる「悪魔シール」だったときにもうそのまま多摩川に飛び込みたくなったりとか、確かにそういう時代があったわけです。あの頃確かに、ビックリマンシールはあたしたちの間では日本銀行券よりもはるかに強い兌換紙幣だったわけですよ。キラキラシールさえあればなんでも買える気がした。
 とまあそういうあれがあれば、友達同士でのシール詐欺やついうっかりポケットに友達のシールを入れてしまったりとかそういう経験もある人も多いと思うんですよ。もうある意味そのシールの過多で仲間内でのヒエラルキーが決定しましたからね、そういうことからすればあれはもう犯罪を誘発するためのツールだったとしか思えない。
 そんなようなあたしと同じくらいの世代であれば少なからず思い当たる節があるであろうこのビックリマンフィーバーですけど、これも考えてみればいつの間にか飽きてたと思うんですよ。誰かが解散宣言出したとかいうことではなく、あれ気がついたらもうどうでもよくなってたというようなそういうようなあれだと思うんですよね。
 あの、ふと気が付いたら大量のシールの山を前にして、「あれ、なんでこんなに熱中していたんだろう」としみじみ思う、まさにあの瞬間が「洗脳が解けた」状態だと思うんですよ。
 それでまあ、クラスの中でも一人二人となんとなくどうでもよくなってきて脱退する奴が出てきて、それでなんとなく熱が下がってきていつの間にかなかったことにされているという、そういうようなあれだったと思うんですよ。キラキラシールと『バンゲリングベイ』を交換した奴とかうまいこと売り抜けた感じだよね。いやそれはちょっと微妙だな。
 まあ、あれは小学生ならではの無邪気さとクラスにおけるヒエラルキーの決定による半ば脅迫であったという外的要因を指摘することもできるわけですけど、まああれですよね、『エヴァンゲリオン』とかはもうなんにも云い訳できないよね。あたしはリアルタイムで見てなかったからまったく被害はないですけどね。なに『ときめきメモリアル』? 知らない知らない。悪いけど他をあたってくれないか。知らないって云ってるだろう! なんだ君はいきなり! 失礼じゃないか!
 ……いや、あたしなんかまだいいほうだって。胸像とか買ってないもの。なんかゲームセンターででかいポスターのためだけに何万円もポスター販売機に金突っ込んで次から次へと出てくる早乙女優美に辟易したりはしてないもの。あのあたりでこれはもしかしたら何かあるんじゃないかって思ったんさ。いやまあそれまでにグッズ類に大枚をはたいたりしたことに関してはそれは認めるけどもそんなのだれしもが通る道じゃないか。なあそうだろう?
 だからですね、このなんだ、『けいおん!』が好きで好きでつい弾けもしない左利き用のベースを買ってみたりとか、何万円もするヘッドホンを買ってみたりとかあるじゃないですか。あのときたとえば澪がランボルギーニカウンタックLP500Sに乗ってたら買う人いるのかなあとかそういうあれはあったりしますけど、もうねそういうの責めない。責められない。ほんとごめん。
 いやね、たぶん彼らもきっとあと何年かすると、そのベースとかヘッドホンとかランボルギーニカウンタックLP500Sを横目で見ながらため息をつく日が来るとは思いますよ、思いますけども、今が楽しければいいじゃない。今miochan!ならそれでいいじゃない。
 たぶんですけど、そのときにハマり方が深ければ深いほどその傷口は大きいと思うんですよね。金銭的なものだけでなく、もっとなんてかな、メンタルな面で。
 なんかほら、ネタなのか本気なのか知りませんけど、ネットとかで『けいおん!』の最終回反対!みたいなわけのわからんことやってたりする人とかいるじゃないですか、ああいうのってあと三年もするとすごい一生残る傷になると思うんですよ。たとえネタだとしても自分があれをやったことについてたぶんじわじわ効いてくるぞと33歳童貞からのメッセージだ。あとよく云われてる「〜は俺の嫁」っていうのも結構メンタル的にあとあと深い傷になると思うから注意したほうがいいと思うよそういうの。
 そりゃもちろんずっと同じものにハマり続ければいいわけなんですけど、流行歌もそうでしょうけどアニメとかゲームとか、そういうものって次から次へと新しいものが出てきてその新しいものがより楽しく感じたりするわけですから、ほとんどの人は心が移ろっていくのですよね。
 まあ、それだからこそ、その「ハマってる」時にそのキャラクタを「俺の嫁」とか「一生愛します」みたいなことを云ったりなんかすると後になってもう頭を抱えて転げ回りたいようなあれになるわけなんですが、逆にそういうことからすれば、いまでも『ときめきメモリアル』とかにハマり続けている人とかすごいよね。それは本物ですよたぶん。ここまで来てまだそのキャラが好きならたぶん一生嫌いになることはないと思うもの。誇っていいと思う。
 とまあなんでそんなことをいまさら云いだしてるのかと云えば、車のタイヤをスタッドレスタイヤに変えるために実家に帰ったら、屋根裏部屋から大量のビックリマンシールが出てきてなんかちょっとムムムな気持ちになったからなんですけどね! みんなグッズを買うときは注意しような!
 まあそれでも、リアルタイムでエレドラを買おうかどうか迷ってる人に云われたくはないと思うよ高御君。いやこれは『けいおん!』とか関係ないんだ! ないと云ってるだろう! 不愉快だわたしは部屋に戻る!

<近況報告>
  • > リアルつんでれは本気で鬱陶しいのでオススメしません!
     うっとおしいとかそういう以前の問題として、リアルではいないんじゃないかなあああいうの。いたらいたで一回見てみたい。いや喫茶とかそういうあれではなく。
    > 更新増えてきましたね。おつかれさまです
     そう見せかけておいて10日近くあけるというこの高等テクニック! これが女性との駆け引きにも使える「じらし」のテクニックですごめんうそ。
    > このサイトが一日10人なんてもったいなさすぎるんですが。宣伝してもいいですか?
     いやまあ10人/日というのは評価としては妥当だと思いますが、宣伝って具体的にどんなんだろう。自分のブログに「釘宮理恵さんのブログです!」とか紹介するとかそんな感じか。
    > 自分は10人の、選ばれた人だったんだ
     きっと世界が滅びるときに救われるのは君たちだ! って、『ムー』っていう超信頼できる科学雑誌に書いてあったよ!
    > ふと思ったんですが、高御さんは眼鏡はかけているんですか?
     いいえ、去年まで両目とも2.0でしたからねえ。でも今年一気に下がったからどうなることやら。たぶん『ラブプラス』の所為だと思う。
    > 神社で迎える夜明けはぞくぞくしますよね。
     特に冬は最高ですね。あの神秘的な感じがたまらんのですよ。神信心もなんにもないけど、あのときだけは神様はいるかも?と思わせてくれますね。
    > マイベストオブ釘宮は逢坂大河です
     あれも悪くないよね! あの声でなじられるともうなんかたまんないよね!
    > 女性がお目当ての男性を落とす事を『撃墜』というらしいです
     まったく撃たれることがないあたしみたいなのはさしづめステルス機なわけですね!
    > あまりに強いストレスでほとんど全身麻痺状態です。神経がやられちゃってます(泣)
     とりあえずホスピタルへ行ったほうがよいのではないでしょうか。結構後々で大変だったりしますよ?
    > 今年もXマスは売れ残りのケーキ買って、独りでPS3でもやろうかな…
     25日の夜がお勧め。ケーキとか普通に半額だ! さあ好きなだけ甘いものを食うがいいさ! だいたいクリスマスに誰かと一緒にいなきゃいけないなんて法律はないさ!
    > 『死ね』『殺すぞ』と毎日1万回位言ってますよ。まったく…
     それだと毎日一睡もせずに10秒に1回くらい云ってる計算になると思うんだ。でもマイナスの言葉がよりメンタル面でマイナスに働くって『ムー』っていう(以下略)
    > 悩みが解決しないのが最大の悩みDEATH
     いいこと考えた! つまり悩まなければいいんじゃね!?
    > 部屋の中で息が白い・・・
     あたしもです。でももうそれは慣れました。一人用のこたつを買うかどうか本気で迷っております。
    > 俺のほかにも律ファンがいたとは…
     そりゃいるよ! いますさ! 普通に可愛いと思うんだけど他のキャラクタの魅力にかき消されているのか、それともあれか! 凸か! 凸がいかんのか!
    > りっちゃん可愛いですよね! 正直澪とかはあざと過ぎると思うんですよ・・・。
     いやまああざといって云いますか、他の4人も普通に魅力的ではあると思うんですが、その中でもりっちゃんは冷遇されすぎてると思うんだ。なんかどっかの特典で律だけ描かれてないとか律グッズだけ大量に余ってるとかマジやりきれない。


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