11/18「趣味論」

 ということで、なんてかなあれなんですよ、趣味なんですよ趣味。
 と云っても、あたしは14歳セミロングの女の子がいいなあとかそういう趣味ではなく、英語で云うところのホビーです。
 いやさ、よく趣味を持とうとか趣味がない人は心が貧しいとか結構な云われようで、なんだそんなにたいしたもんかと突っ込みたくもなるわけなんですけども、そう思いながらもどこかしらに余裕があったのは、おそらくまあ確かに無趣味な人ってのも世の中にはいるよね大変ねえ、などとおばちゃんみたいな思考でいたからではないかと思うのです。
 つまるところ、自分は趣味があるんだし関係ないじゃない、とこういうわけですね。
 でもよくよく考えてみると、じゃあその趣味って何だ、ということになると、これがなんだかよくわからなくなってくるわけです。
 そもそも、就職のときとかに履歴書とか書くわけじゃないですか、そこにはたいてい「趣味・特技」なんていう項目があるわけで、その頃からちょっと困ったりしてはいたんですよね。なに書いていいんだかわかんないんだもの。
 それでもまあ、ものの本によると「特技」というのは資格を持っているものを描くのが普通であるということだそうなので、得意だからと云ってキャベツの千切りとか書いていいわけではなく、たとえば英検2段ですとか云う人ならば「英語」と書けばいいのだろうし、情報処理12段の人なら「情報処理」と書けばいいんだろうと思うんですよ。こちらは比較的簡単なわけです。もっともあたしはそんな資格ひとつも持ってないんでそういう意味での苦労はありましたけどそれは別の話なのでまあいいです。さすがに小学生のときに取った暗算1級とか書道初段とか書けないだろ。あと英検4級とか。
 ということで、自動的に書くものが決まっていくわけなんですが、ことこの「趣味」というやつはなかなか困りものなわけです。
 だいたいどこからどこまでが趣味でどこからは趣味じゃないのかという基準なんてないわけですからね、どれくらいの頻度でやってれば趣味だと云っても差し支えないのか、というと明確な定義などないわけですよ。
 そういうところから考えていくと、じゃあ趣味は何だろうというとこれがちょっと答えに窮するわけです。
 で、これは非常に困るわけですよ。
 たとえばですよ、たとえばですけど、なんかお見合いとかそういうあれになったとするじゃないですか。やったことないから知りませんけど、たぶん「ご趣味は」とか聞くと思うんですよ。そこで答えに窮するようでは非常に困る。
 そもそも最初に書いた理論からすれば、趣味ない人間はつまらないみたいなそういうあれがありますからね、これはもう意地でも趣味を探さないといけないだろうとそういうことなわけですよ。
 どういう風に絞り込んでいくかいろいろ考えたんですけど、よく「好きなものにはいくら金を使っても惜しくない」とか云うじゃないですか、と云うことはここ最近で金を使ったものを探せばいいわけです。
 大きなものと云えばデジタルカメラを買ったわけですけど、使ってるかと云えば一応使ってるんですが、ほらよくあるじゃないですか、道端に咲く花とかを撮ったりしてブログに貼ったりとかああいうの。ああいうのやったことないですしやるつもりもないし、ただ単に今まで使ってたコンパクトデジカメが一眼レフに変わっただけで結局神社撮ってるだけですし、それだって別に構図に凝ろうとかそういうのぜんぜん考えたこともないわけで、こんなんで「趣味は写真です」なんて云ったらほんとに写真が趣味の人にものすごい怒られるんじゃないかという気がします。たぶんカメラの性能の半分も出し切ってないよなコレ。もったいない。
 じゃあなんだ、乗り物関係かってことになると、車とかは確かによく乗るしある程度金もかけてるんですけど、なんか車とかバイクの趣味ってこうスピードを競うようなイメージがあるじゃないですか。なんかこう夜な夜な峠道を攻めてみたりとか、あるいはもっと健全な方向へ行くとサーキットで一秒を削ることに膨大な努力と金をつぎこむみたいなそんなイメージがあるんですよ。
 そこへ行くとあたしの場合そんなことぜんぜんないですからね、サーキットなんか行ったことないですし、峠道なんてもうびっくりするくらい安全運転ですから。だいたいそんなスピード出して走ったら怖いだろ。
 とはいえ、今まで履歴書とかにどうしても「趣味」を書かなきゃいけないときには、割と「ドライブ」とか書いてるんですけども。一般的な人たちの間では、やっぱりまだバイク=暴走族のイメージは大きいのと、胸を張って趣味だって云えるほどバイク乗ってないよなあってことになると「ドライブ」というのはものすごい安全牌なわけですが、でもまあ具体的にはなにしてるのかいまひとつよくわからん趣味ではあるよな。ただ車運転して楽しいか。楽しいです。
 そういうことになってくるとじゃあ残ってるのはなんだということになるわけでして、矢鱈滅鱈と神社へ行くこととかになってくるわけなんですけど、こんなんなってくるともはやなんなのかすらよくわかりません。そもそもそれを何と称するのかもわかりませんから、あの狭い欄に「矢鱈滅鱈に神社へ行くこと」と書くしかありません。
 いやそれは「旅行」なんじゃないのかという突っ込みもあったんですけど、旅行とはまた違うわけじゃないですか。まあ、いろいろ出歩いて見て回るという意味では旅行なんですけど、だいたい一泊もしないで帰ってきてるし、神社だけが目的だし名物もろくに食べないしでちょっと「旅行」とは云いづらい気がします。
 ちなみに本によっては、履歴書に趣味は旅行って書くと休みを多く取る人だと見なされてあまりよろしくないなんて書いてあるものもありますがそんなことないから。気にすんな。
 昔は「パソコン」とか書いていたときもあったんですけど、今パソコンが趣味ってのもなかなかどうかなあみたいなところあるわけじゃないですか。
 いえね、そのころはパソコンって割と特別なもので、使える人しか使えないスペシャルアイテムなイメージがあったんですよ。前にも書きましたけどMS−DOSなんてファイル見るだけでもキーボードからコマンド打ち込んではじめて見られるものでしたからね、パソコンが趣味というのはそれはそれで成立してたと思うんですよ。
 それがどうだ、今じゃパソコンなんて一家に一台あってもおかしかないくらいのもんですからね、ものすごくわかりにくくなったわけです。「趣味は冷蔵庫です」と云ってるのとあまり変わりません。いやそれは多少変わるな。
 だからって云って、素直に「エロゲーです」とか書けないじゃないですか。お見合いで「エロゲーやってそれについてうだうだ文章書くのが趣味で」とか云った瞬間にたぶんもう即破談だと思うんですよその話は。そこで逆に「そうなんですかやっぱりリーフは『痕』ですよね!」とか返されたら惚れちゃいますけどそんな人いないじゃないですかたぶん。
 なんかこうあれです、人に云ったときにかっこいい趣味ってあると思うんですよ。いやもちろん趣味なんて好きなことを好きなだけやればいいんですけど、それを聞いたときになんかかっこいいなあ、というのはあると思うんです。
 そういうことからすれば、あたしの中でかっこいい趣味の一位は「料理」これですねこれ。あたしは根っからの文化系なので、スポーツ系の趣味にはいまひとつぐっとこないんですが、趣味が料理、はかっこいい。女性の趣味として魅力的なのは勿論ですが、男性がこれを云うとなんかすごくかっこいいわけです。
 じゃあお前もそうすればいいだろうというところではあるんですけども、如何せんあたしは食べ物にたいしてまったくこだわりがないわけですよ。いやもちろん美味しいものは美味しいって食べますけど、わざわざ美味しいものを食べに行こうとしたりとかはしませんし、1000円の美味しいものと300円の普通のものがあったら迷わず後者を選ぶくらい食にこだわりがありません。それこそ旅行に行って平気で天下一品のラーメンとか食いますからね、もうそのへんのどうでもよさったらないわけですよ。
 とまあそんなのが料理なんかできるわけないわけでして、だからこそ一袋19円のもやしを炒めたものだけで三日間過ごしたりとか平気でやるわけですし、そんなのにさあ料理してみろと云ったところで一袋19円のもやしを炒めるくらいしかできません。いやあの週は一週間を500円くらいで過ごしたもんな。我ながらちょっとすごいと思う。
 まあそのなんだ、正直なことを云えば、料理に凝ってみようと思ったこともあったんですよ。やっぱり一人暮らしをはじめてみると外食は金がかかるし、それなら料理のひとつもできたほうがいいじゃないですか。趣味と実益を兼ねるなんてすばらしい、と思ったわけです。
 ところがですね、ひとつ気づいてしまったことがあってですね、なんかネットとかでレシピを調べて材料買ってきて作るじゃないですか、そうするとですね、不思議なことになんかもう一人じゃ食えないくらいの量が出来上がるんですよ。
 いや、たいていこういうのが「二人前」とかをベースに材料の量とかを紹介してるからなんですけど、まあ別にいいやってそのまま作るこのいいかげんな性格ですよね、それがいかんのです。
 ましてあたしはあれですからね、19円のもやしで満足できるくらい食が細いですからね、絶対食いきれないんですよ。
 しかもですよ、なんかこう作っても、結局自分で食べるしかないわけじゃないですか。なんか誰かが食べて美味しいとか云ってくれるとかそういうのないわけですよ。たぶんこれが一番へこたれるね。なんかこう、誰もいない部屋に帰ってきたときに「ただいま」ってひとりごちたときの感じ。なんかどんどん寂しい人になってるなあたしは。
 とまあそういう意味も込めて、料理が趣味の人は色々乗り越えてるかそれに耐えられる心の強さがあるんだと思うんです。あたしはそれが乗り越えられなかったのだなあ。
 というわけで趣味を探すために自分探しを趣味にしようと思います。なんかもう意味がわからない。

<近況報告>
  • > 事故って…大丈夫なんですか?
    > お体は大丈夫だったんでしょうか。心配です
    > 体は大丈夫なの
     ありがとうございます、おかげさまで身体はぴんぴんしております。事故といってもたいしたものではなく、路上を走行中に前を走っていた軽自動車が道の真ん中で停止、それにあわせてバイクで走行中のあたしが停止、停止2秒後に軽自動車が猛烈な勢いでバックしてきて衝突、バイクのフロント部分破損、という感じ。止まってたのでころんとそのまま立ちゴケみたいな感じでした。ですのでもうほんとに掠り傷ひとつありません。バイクのフロント部分は木端微塵になりましたが。
    > 昔の駄文に14才という年齢について語っていたのがありましたよね。でもなんでセミロングなんだろう?
     それはね。かわいいからだ!
    > 高御さんのスペックで何故モテないのか不思議です。美女×非美男のカップルなんてごまんといますしね。
     面……ですかね。いや別にスペックもそんなに高かないと思いますけど。すごいよあたしの面。一回見てみるといいさ。
    > 「豪勢に119円」に泣いた
     アジフライがスーパーで一枚128円なので、一品でそれを超える金額のものはすべて豪勢なのですよ! なんてったって5もやしですからね!
    > 五万近くした眼鏡が真っ二つに…(泣)
     眼鏡ってそんなにするのか! どこにそんなコストがかかってるんだ! いやまあガラス部分なんでしょうけど。オーダーメイドだしなあ。しかしそれにしても高すぎるんでないかい。
    > すげー。勝ち組じゃないっすか!ホント童貞っていうのが信じがたいんですけど。
     勝ち組要素が一個もないような気がしたんですけどもどのへんでしょうか。初オナニーのオカズがファミコン通信だったところかなきっと。
    > 高御さんが冬コミ来ないなら行く意味がないなあ…せっかくお会い出来るかと思ってたのに残念DEATH
     嬉しいこと云ってくれるじゃないですかもう。もうあれですよ、コミケとここでの宣伝の繋がりのなさはもう諦めてるところですからね、そう云っていただけるともうほんとにありがたいのですよ。次回の夏コミでスペースが取れたらよろしくお願いいたします。
    > ゆいにゃんはリアルでも「あたし」って言ってるんですか
     はい。理由は稲川淳二さんに憧れてるからです。いやマジで。
    > 顔が良いとは言われますが、得した事が一度もない…逆恨みされてネットで悪口広められる始末orz
     いやそう思うかもしれませんけども、何気に得してるんですって絶対。おもしろ面だと同じ舞台に立てないんだから。ていうかネットで悪口云われるほどのIKEMENってどんだけさって話だと思うんですよあたしなんかからすれば。
    > 『ゲーム脳』を定義した人物が医師免許を持っていない件
     やだなあ、医師免許を持ってる人があんな寝惚けたこと云うはずがないじゃないですかあ。


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