02/26「物欲論」

 ということで、なんてかな、最近どうにも物欲が減退してきてるんですよ。
 いやね、あたしなんかすごい勢いで独身貴族じゃないですか。独身どころかさらに童貞がつく童貞貴族じゃないですか。なんか凄そうだな童貞貴族。ちょっとブルジョワジーの匂いさえするよね。しないけど。
 とまあそれはともかくですね、そういうあれなので、割となんてかな、フリーダムにお金を使える立場ではあるんですよ。
 とはいえ別にえらい高い給料貰ってて優雅に六本木の高層マンションの上の階で暮らしてるとかそういうあれはぜんぜんなく、むしろ毎月の生活にひいひい云ってて、夕食なんか閉店直前のスーパーで売ってる半額のお惣菜がご馳走だったりするわけなんですけども、それでも扶養家族がいる人に比べたらぜんぜんお金の使い道は自由じゃないですか。
 とりあえず毎月の必要経費さえ払っちゃえば、いきなり風俗とかに何万もつぎ込んだって誰も文句は云わないわけですよ。そんな余裕ありませんけど。毎月毎月カツカツで生きてて風俗なんか行けるわけないだろ! だから誰に向かって怒ってるんだあたしは。
 いやまあこのままほっとくとどこまでも脱線するんでもとに戻しますけども、まあとにかくそういうあれで、可処分所得は割と多いわけです。なんだ一行で済むことだったじゃないか。
 だもんで、まあなんてかな、欲しいものはあんまり後先考えずに買うタイプで、よく云えば物欲に素直に、悪く云えばいくらでも悪く云える生き方で今まで生きていたわけなんですけども、その物欲がどうにも最近になって失われつつあるわけです。
 いちばん大きいものは車でして、車なんて今まで買って半年くらいするとなんとなく欠点が見えてきて、「次は何乗ろうかなあ」なんて考えたりするわけでしたけども、今はそういうのぜんぜんないですからね。
 まあ、今乗ってる車がいろんな意味で求めていたものを基本的に満足させてくれていて、なおかつ代わりになるものがないからというのもあるんですけども、とにかく「一年後は何買おうかなあ」とかそういうのをちっとも考えないというのは、ある意味新鮮ではあります。今までだと色々金をかけても、どうせ二年で乗り換えるんだろうなあなんて考えるとそれも躊躇する感じでしたけど、そういうのなく安心して乗ってられますからね、多少金かけてもいいかなあと思いはするものの、でもその「金をかける」のも、たとえば「ナビを買い換えよう」とかそういう気が全然起こらず、そのまんまでいいじゃない、みたいなことになってるわけです。
 もうちょっと小さいものだとアレですよ、ノートパソコン。
 今流行のネットブックってあるじゃないですか、あんなのなんてある意味ちょっと前まで「こういうのが欲しいんだよ」という理想の塊みたいなもんで、「電車の中でテキストを打ったり、ちょっとネットを見たり、そういうのできればいいなあ」と思ってたあたしにとっては「これだ!」というモノのはずだったわけです。
 で、そんな中で、先日VAIOのネットブックタイプのやつが出たじゃないですか。あのケツポケットに無理やりねじ込んでるCMが実にアレな感じがするやつ。なんだあれ。ギャグか。どんだけでかいんだお前のポケット。
 まあとにかく、ソニーブランドであの大きさであの値段ですからね、昔リブレットを衝動買いしたあたしからすれば、ちょっと前なら何も云わずにいきなり買ってたと思うんですよ。
 特にあたしのまわりの、あたしがソニー信者だってのを知ってる知り合いとかが、「あれ買わないんですか」「あれどうですか」みたいなことを聞いてくるので、なんか余計にもしかしたら買わなきゃいけないのとちがうかなあ、みたいなことを思ったりするわけです。
 でもあれなんですよね、今は移動のメインが地下鉄になってて、しかも会社まで30分くらいしかかからなくなってしまったので、テキスト打ちマシンとして使うにはちょっと時間が短いし、地下鉄だからPHS使えないし、そもそも使ってるPHSカードがフルサイズなもんで最近のネットブックじゃ使えないし、寝床用のPCとしては昔買ったVAIOがあるし、ちょっと持っていくならネットオークションで買ったVAIOがあるし、なんか結局いらなくね? という結論に達してしまいました。
 いやまあ普通の人からすれば当たり前のことかもしれませんけども、昔はとりあえず買ってからどう使うかを考える感じでしたからね、大進歩ですよこんなものは。
 あとはあれですよ、HDDレコーダーなんかもそうですよね。
 もともとあんまりテレビを見ないというのもあるんですけど、いまだにうちだとVHSが現役で動いてますからね、いやもちろんレンタルとかで借りてくるのはさすがにDVDですけど、テレビの番組録画とか普通にVHSですよ。もうね、テレビの吋数だけは部屋に対してアンバランスに大きいだもんで、見てるともう見てらんないくらい画面とか粗いんですけども、わざわざ撮ってまで見るものなんて「警察24時」くらいのもんですからね、困らないわけです。
 それでも世間の流れになんとなく乗せられて、幾度となく店には見に行ってるんですよね。
 いやまあなんてかな、別にそれを見にわざわざ店に行ったことはたぶんないんですけど、なんか買い物に家電量販店とか行くじゃないですか。そうすると、なんかこう数年後には今のテレビもビデオも使えなくなりますよみたいに煽ってにぎにぎしく売ってるわけですよ。
 そこでなんとなくコーナーに立ち寄って見てみたりするわけなんですけども、これがまた日進月歩で値段が下がってるじゃないですか。ちょっと前までブルーレイ搭載機なんて20万円とかしてたのに、今じゃ10万円とかですからね、半額ですよ。
 まあ、こういうものは基本的に時間が経てば値段が下がってくるのはある程度当たり前みたいなところはありますけども、さらにはなんだかダビング10だのB-CASカードだのわけがわからないものばかりで、これもうちょっとしたら機能が進化した上に安くなるんじゃなかろうか、というところで考えてしまうわけです。
 さらには俺別にこれ買っても使わないよなあ、という思いばかりが先行して、結局のところまあ別にあとでいいや、ということになってしまい、いまだVHSが現役で稼動してるわけなんですけど、これもね、ちょっと前だったらえいやって買ってたと思うんですよ。テレビを買ったときがそうでしたし。
 ただね、あたしもいい加減気づきましたね。そういうのはよくないんじゃないかなと。32歳にしてようやくかよ、というのはわかってるからいいです。聞きたくないです。
 なんかこう徹夜して並んで買ったはいいけど結局ろくすっぽ使わないまま部屋の片隅で埃をかぶったまま眠り続けるWiiとか、もう不憫以外のなにものでもないじゃないですか。Wii買ったとき、棒降って遊ぶのは今は楽しいけど飽きるのも早そうだなあなんて書いてましたが、飽きるとかなんとか以前だったというこれを不憫と云わずしてなんと云おう。
 まあね、不況の世の中ですから、こんだけ不況不況不況不況不況云われてると、なんかお金を大切にしなきゃいけないのかなあみたいなそんなようなことを思ったりもするわけでして、たぶん世の中の人の多くがそう思っているからこそさらに買い控えが進んで結局モノが売れなくなるというそういう循環なんだと思うんですけれども、なんか景気がどうこうじゃなくてもなんだかモノを買おうというそういう意欲がものすごく減退してるいのは確かなんですよね。携帯電話なんか高い金出して買い換えてみたところで結局着信専用電話みたいになってるし、あんまり意味ないよなあ、というようなそんなような。
 なんかこう、特に携帯電話とかそういうあれになると、企業とかは一所懸命だと思うんですよ。ある意味もう機能としてはある程度煮詰まってますからね、テレビがついた!とか、そういう画期的な革新というのはなかなか考えづらいわけで、結局カメラの画素数が上がりましたとかMP3プレーヤーとしても使えますとかそういう別にどうでもいいなあ、みたいな方向で新機種を出していくしかないわけです。
 もっとも、そのへんは主に技術屋さんではなく企画屋さんの仕事だと思うのですが、結局技術屋さんの頑張りだけがどんどん反映されていき、既存の機能が高性能化はする一方で「新しいアイデア」が盛り込まれた製品というのがないから、結局のところ別にそれだけの違いなら今までの使ってりゃいいや、というようなことになるのではないかな、と思うんですよね。
 別に携帯電話に限ったことではなく、テレビとかの家電でもそうだと思うんですけども、結局「今までのは50でしたが、モデルチェンジしたものは80です」という売り方がほとんどで、それじゃあ別に買い換えるまでもないかな、という思考回路はある意味で当たり前なわけで、その性能差がもはや使用に支障をきたすまでになったところで買い換えればいいわけです。
 だから、企画屋さんが「こういう付加価値がありますよ」という、今までになかった魅力的なアイデアを提示できれば、それが物欲に繋がっていくんだと思うんですよ。だからこんなもの、いくらマーケティングをしても無駄で、消費者は「こうしたい」という具体的なアイデアがあるわけじゃなく、製品が出てはじめて「ああ、これって便利だよね」というニーズが作り出されるわけです。
 だいたい、ワンセグの携帯電話とかそうじゃないですか。「携帯電話でテレビが見られればいいなあ」なんてことを思う人なんかおそらくそんなにはいなかったわけで、製品が出てからはじめて「携帯電話でテレビが見られるってのはいいなあ」という意識が消費者に行き渡り、「じゃあ俺もワンセグ付きに買い換えようかな」というニーズに変わっていったのではないかと思うんですよね。
 消費したいという欲求がなくなってきたのも、結局のところ「機能」がある程度完成し、これ以上は別に要らないよ、というところで、「前のよりもちょっとだけ良くなったよ」と云われてもなあ、というのが大きいです。
 昔はこう云うのはソニーの仕事で、だからこそそういうソニーが大好きだったんだけどなあ。まあなんてかな、結局そんなものより愛が欲しいとそういうことだよね。なにこの結論。

<近況報告>
  • バレンタイン? なにもあるわけないだろこの野郎。だから誰に向かって怒ってるんだ。
  • > 逆チョコってなんなんですかアレ。
     なんてかあれですよね、どの業界も大変なんですよねということでしょう。今の消費者はそんな簡単にマーケティング戦略に踊らされるほど単純じゃないよとは思いますけど。いかにも電通あたりが考えそうな言葉じゃないですか。
    > 3月で童貞32周年を迎える者です。今にして思えば、30代になった瞬間に/気負いが無くなったというか、諦めが付いたというか、その様な節目だった気がします。魔法使えませんが。
     いやそういうものですよね。その年齢は人によって多少の前後はあると思いますけど、だいたいそのへんが節目なんですよ。あたしは27くらいのときに「ああ、俺はモテない!」と突然青空に向かって誓った感じでした。魔法は女の子だけを吹き飛ばすニフラムと女の子が出てこないようにできるトヘロスが使えます。
    > 今日も駄文に癒される
     むしろささくれ立ちませんかねうちのページ。いやそう云っていただけるとありがたくはありますけども。
    > とらハ2を引っ張り出してまたやってますがやはり面白いですよね。
     あれは名作ですよほんとに。微妙な歌(褒め言葉)とか微妙な声(褒め言葉)とか。「3」もいいんだけど、あのどうにもこうにも平凡な毎日が楽しいだけの感覚は「2」にはかなわんなあと。
    > 例年通り売れ残りのチョコ喰いまくろうと思いましたが、ニキビが酷いので断念orz
     ニキビなんてそんなものを気にしてたら赤貧生活送れないZE! もう体に悪いもの食いまくりで口の中口内炎だらけ。
    > カップ麺作る時に『三分間待ってやる!』と言うのは不可ですか?某大佐の如く。
     許可。ついでにゴミを出すときに「さらばだゴミども!」って云うのもOK。あと誰だ某大佐。
    > 外に用事がある時は必ず雨が降ります。どうも天照大神には嫌われているようです。
     あたしも前は旅行に行くたびに雨が降ってたもんさ。ひどいときには台風来てたりとかしたし。なんか次第にどうでもよくなってくるから大丈夫です。
    > よく分からないけど、上智に行きたかったのに落ちて早稲田に行くことになりました。先輩!><
     それはそれは。上智のことはよく知りませんが、早稲田ははっちゃけてる人が多くていろんな意味で楽しいところでしたので、せっかく行くからには堪能してやってください。でも学食のメシはあんまりうまくないということは予め覚悟しておいてください。
    > ゲームレビューが最近ないですよね
     そうですね。実に残念なことです。とか人事っぽく云ってる場合じゃなくて、ぜんぜんゲームができてないんですよ。すごい買ってるのに消化してないからどんどん積んじゃう感じで。時間見つけてやらないとなあ。レビューほったらかし一周年になっちゃうじゃないか。いやがんばります。
    > 14才セミロングヘアの巫女さんはどうされました?最近出ませんね。
     あたしの心の中にはいつもいますよ? しかし気が付けば14歳ってもうとっくにダブルスコアだな! まったく恐ろしい! 殺人犯と同じ部屋になんかいられるか! 俺は自分の部屋に帰る!


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