09/18 「夢のおはなし」

 とは云うものの、吉田さんが夢に出てきたんですよ。いや、久しぶりに書くことがそれか、ってなもんなんですけども。いやね、詳しいことは下に譲るけどもさ、これもうほんとむちゃくちゃ忙しかったんだって。ほんとは景気よく旅行でも行くかみたいなことだったのに、仕事のせいで行けなくなったりしてるんだから。そんな中でこんなん書いてる俺マジ偉い。もうこんなこと書くようになったら終わりだなこのサイトもな。
 でだ。自分でもよくわからないくらい自分の恋愛体験を実名込みで明かしていて最近ほんとにこれでいいのかと思い始めているこのサイトですが、そんな数多くの登場人物の中でも吉田さんはあまりメジャーじゃないかもしれません。ていうかメジャーなはずないだろそんなもの。
 吉田さんは小学校の頃にすっごい好きだった子でね、この凡そ三十年に至る人生の中でおそらく唯一誕生会に呼ばれたり、バレンタインデーにチョコレートを貰ったりした相手なんですよ。どうだ凄いだろう。
 いやまあ、別にその後何かあったとかそういうことはぜんぜんなくて、結果としてはどうしてあの時吉田さんは俺にチョコレートをくれたのか未だにわからないというこの不細工人生の中での七不思議に数えられるイベントだったのですけれどもとにかくそういうあれですね。あ、あとそれをきっかけに一年くらい文通してた。もうなまじ実話だけに意味わからん。なんだったんだあれ。
 まあその、結局そのまま何も無く、好きだとかそういうのを伝えることも無いまま過ぎ去って行った青春の1ページなんですけど、今見ても実にあたしの好みがモロに出てる感じというか、まあアレよね、という感じの子ではあったんですけども、この子がですね、夢に出てきたんですよ。
 今とか猛烈に忙しくて一週間くらい連続で会社に泊まってるような状況で、寝るのも最近は椅子じゃなくて床にダンボール敷いて寝るほうが実は気持ちがいいことが発覚してそうしてるんですがね、そもそも寝る時間が一日3時間とかなんでもう完璧にいろんなことがおかしなことになってるわけでして、もうどんどんダメになっていってるような気はするよね。僕のベッドはアスクルのダンボールです。
 んなこたどうでもいいんですけども、まあとにかくそういう夢でですね、なんかね、夢の中で急にうちに来て、いっしょに住んでほしいみたいなこと云われるわけですなんの脈絡も無く。まあその、エロゲーとかによくあるじゃないですか、いわゆる押しかけ同棲ですよね。
 で、最初は理由とか云わないで押し黙ったままなんだけどもさ、だんだん心を開いてくれるっていうか、だんだん笑ってくれるようになったわけね。この「だんだん」の過程がものすごいハイペースなあたりが夢のいいところではあるわけなんですけども。料理とか作ってくれたりしてさ。なんか玉子焼きを作ってくれたんだけど、これがあんまり巧くないらしくて、すんごい黒こげなのね。玉子焼きなんかでここまで立派に焦がせるものかってくらいのもんで、それでもまああれなわけですよ、ごめんなさいって云いながら一番笑いこけたのは君なわけです。いや状況説明だから。ジャスラックとかそういうあれはちょっと困るな君。もう自分でも何書いてるかわかんなくなってきたもの。
 それでもって、あたしがお風呂に入ってたらさ、彼女がいきなり入ってくるわけですよもちろん全裸で。いやまあ局部にはちゃんとモザイクはかかってたんでソフ倫基準もぜんぜん問題なくクリア。このあたりに世の中の非情さというか物悲しさを感じずにはいられませんね。まあ状況によっちゃちょっとした淫夢ですよこれ。中学生の頃だったらこれだけで三日はいけたね。
 そのお風呂の中で背中を流してくれたんだけどね、そのときにこうあれだ、彼女がどうして急にここへ来たのかを教えてくれたんだよね。なんかね、もう実は昔から実は好きだったと。それでまあ手痛い失恋をしたらしく、それでふと思い出したのがここだったとそういうことだそうで、もうね、泣きながらそういうあれを話してくれるんですよ。それはもうこちらとしても守ってあげなきゃいけないとこう思うわけじゃないですか。だからついぎゅっと抱き寄せて抱きしめてあげたりなんかするわけでして、もうそこなんかすっごいいいシーンですよこれ。
 なんかわかんないんだけど、これは夢じゃないっていうそういう変な実感が夢の中であってね、もうなんかすっごいいい話でさ、目が覚めたとき泣いてたよ俺。
 なんかこのまま30歳を迎えるんだろうなあという気がして違う意味で再び泣いた、そんな夏の日。なにこれ。
 なんかさあ、こういう夢を見るようになったら人間ほんとダメだなあと思うんですよ。淫夢ならまだいいじゃないですか。あれはもう欲望と直結って感じですからね。まだそういう欲望がセクシャルな方向へつながる分だけマシだと思うんですよ。
 ところがどっこい、こっちはあれですからね、中途半端に願望っていうかエロゲー的シチュエーションが入りまくった夢ですからね、起きてみれば現実性なんかこれっぽっちもないわけです。それだけに切なさがものすごい勢いで膨れ上がってくる感じは当然しますさそれは。夢の中で感じてたあのリアリティは何なのかというくらいのもので。
 でな、あたしの脳はいったいどうしてこういう映像をあたしに見せるに至ったのか、ということなわけですよ。どうして今吉田さんなのかと。出すならもっといくらでもいるじゃないかと。確かに最近そういう出会いもろくにない昨今ではあるものの、小学校までさかのぼらなくてもいいだろうとこういうあれなわけです。
 思うにだね、もう脳もネタ切れなんじゃないかと。もうさ、中学時代に告白してものすごい勢いでフラれた女の子とかそのあたりはもういっぱいいっぱいだもんで、じゃあしょうがねえなとばかりに出してきたのがこの吉田さんだったと。逆に云えばもうそこまで枯渇しているわけでしてほんとどうにかならんか。
 とりあえず、それがゆえに吉田さんをエロい目で見ているとかそういうことはこれっぽっちも無いんですけれども、なんか久しぶりに吉田さんに会って話をしてみたくはなりました。同窓会とかやんないのかなあ。実はやってるけどあたしだけ誘われてないというそういう線も否定できないよな。ああ、今そういう可能性を想像してむちゃくちゃ凹んだ。
 あれだね、このサイト、当の本人が見てるかも知れないというそういう可能性を全否定してるよなマジで。見てたら連絡くださいお酒でも飲みましょう。
 しかしもう何かな、人の夢の話とかある意味世界で一番どうでもいい文章だよね。わかってるなら書かなきゃいいのに。

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