将姫 (C's ware)

項目シナリオシステム音楽総合
ポイント5−
シナリオ:
原画:
音声:
主題歌:

-コンピュータを運でねじ伏せる麻雀ゲーム-

 今回は「将姫」。シーズウエアの麻雀ゲームです。ごくノーマルな対コンピュータ戦ネットでの対戦のほか、LANを経由したネットワークでの対戦もサポートしていますが、一般の人がこのLAN対戦を使用できるとは思えないため(インターネットでの対戦が出来るとかなら別ですが)、対コンピュータ戦に絞って話を進めます。
 まあ、ゲームそのものは普通の脱衣麻雀。取ってつけたようなストーリーと、それを理由にした麻雀での対戦でなぜか女の子をすっぽんぽんにしつつ目的を遂行するというものです。まあ、ストーリーはどうだっていいんですが。
 肝心の麻雀パートですが、これがなかなか曲者です。まず、コンピュータの強さがヘンです。「強い」とかではなくて、ヘンなのです。
 まずとにかくリーチがよくかかります。どれくらいかというと、四人リーチでの流局が当たり前のように起こるというので解っていただけるでしょうか。しかも、これまたヘンなのですが、コンピュータの一発ツモが嫌になるくらい多く、コンピュータが先にリーチをかけたら、その瞬間に死を覚悟しなければなりません。これがキャラクタによって差があるというのであればともかく、味方キャラ(後述)意外はまんべんなくこういう感じなので、次第に腹が立ってきます。
 さらに、このゲームには「イカサマ」があり、それぞれ「必殺技」という形でサポートされます。これにはいろいろな種類があって、例えば索子がいっぱい来る技だとかなんとかあるわけですが、当然、ヒラで打つよりもこれがあればかなり有利になります。
 で、コンピューターは、味方が一切そういう技を使えない状態の時にも拘わらず、なんのためらいもなく必殺技を連発してきます。さらに上記のやたらと早いリーチもありますし、そもそも「一発ツモを引き起こす」というとんでもない必殺技をこれまたなんのためらいもなく使ってきますので、やるせない絶望感を味わうことができます。さらに、このゲームには「天の羽衣」という必殺技があり、これを使うとどうなるかというと、服を着ることが出来ます。それだけのことです。それだけのことですが、やっとの思いで脱がせた服を、わけのわからない必殺技一つで元通りにされてしまう衝撃。脱衣麻雀なのに。この衝撃にあなたは耐えられるでしょうか。ちなみに私は耐えられませんでした。
 そういう意味では、不条理な絶望感を味わいたい人にはお勧めです。
 このゲームが他の麻雀ゲームとちょっと変わっているのは、「対戦して勝つ(脱がせる)と、そのキャラを味方に出来る」という点で、これが何気なく単調になりがちなゲーム展開にアクセントを添えています。
 味方にするとどうなるかということですが、これはもしかしていわゆるオヒキというやつで、エレベーターとかそういうあれができるのではないかと思ってしまうところです。もう気分は勝負師伝説哲也です。
 ところが、実はこれ、そういう意味ではあんまり効果はありません。もっとも大きな効力は、その「味方にしたキャラに敵が振り込んだりその味方キャラがツモ和了りした場合でも、対戦相手を脱がせることが出来る」という点でしょう。
 普通、オヒキではないにしてもコンビで打つ場合、お互いに振り込まないようにするとか、どちらかがバカ勝ちするようにするとか、そういう効力を期待してはじめて「組む」わけですが、このコンピューターの味方というヤツは、味方になろうがどうしようが徹底的に自分の和了りだけを追及します。それにはプレイヤーからのロン和了りも厭いませんし、逆にまったく無意味にプレイヤーに振り込んできたりするので却って邪魔になることもままあります。勝てそうな場面で四人リーチで流局になるリーチをかけることも日常茶飯事です。敵として戦っていたときと違うのは、必殺技が使えなくなっている分弱くなっていることくらいです。
 俺が哲也だったら、こんなダンチは確実に縄で縛って海に捨ててます。

 反面、LANでの対戦は結構熱いです。といっても、普通に打つのと変わらないんですが、こちらは足りない面子をコンピュータが補ってくれるので、メンツが足りないけど麻雀やりたいときなんかにはうってつけです。

 まあ、なんというか。もうひとつ、かもしれません。

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