大國魂神社


 東京都府中市の、にぎやかな街中にあります。近所の人々とかがコンスタントに散歩していたり通り道にしていたりと、神社によくある静かな雰囲気というのは実はあんまりないのですが、近所に根付いているというという意味ではこういうのもアリかもしれません。ただ、喧騒な中にあるというわけではなくて、すぐ横に図書館があったりして、なかなかいかにも文教地区という雰囲気が漂っています。電車で行ったことが無いのでよくわからないんですが、おそらく京王線の府中駅。車なら甲州街道から府中駅で市街地へ折れればすぐそこ。有料ですが、大きな駐車場もちゃんとありますので車で行ってもさほど心配は要らないでしょう。
 主祭神は大國魂神。武蔵の国の守り神様とされていて、歴史は西暦にして111年、第一二代景行天皇の時代まで遡る歴史と由緒ある神社です。その後、大化の改新によって武蔵国の国府がこの場所に置かれたのをきっかけとして、国司がこの社で祭礼をし、祭務を司った場所となりました。武蔵総社とも呼ばれ、歴代の幕府の信仰も厚かったとか。武蔵国……つまり東京の地を守ってくれる神様だったわけですね。東京に住んでいる方は行ってみるといいかも。
 今では先にも書いたように人々が普通に行き来していたり、結婚式場としてもよく使われていたりするらしく、市民の方々の憩いの場になっているようです。新撰組の近藤勇とも縁の深い場所ですね。
 ここが門。「中雀門」と呼ばれています。入り口の鳥居を抜けてからこの門まではちょっと歩きます(っても三分くらいか)。第一の門(随神門)をくぐるとまずここに出て、この向こうに拝殿と本殿があります。この横には手水屋や結婚式場、神楽殿などのほか、有料で見学できる「宝物殿」もありますので時間に余裕がある方は見ていくといいかもしれません。すみません、わたし何度も行ってるのに見たことありません。こういうのって近くなほど見に行かないんだよなあ。
 さすがに相殿も多く、社内には稲荷神社、住吉神社、大鷲神社、大山昨神を祀る松尾神社、弁財天を祀る巽神社、徳川家康を祀る東照宮、天宇受賣を祀る宮乃盗_社があります。これは宮乃盗_社。安産祈願に訪れる人も多いとか。
 イデオロギーの問題にも発展しそうなのですが、先の大戦で命を落とした方々の魂を祀る石碑もあります。いろいろと政治的な問題が絡むのはまあわかってはいるのですが、さしあたってたまにはこういう場所でそんな戦争の無常さみたいなものを考えてみるのも必要なことなのかもしれません。ちょうどこれを見ていたとき、後ろに先生なのかよくわかりませんが大人の人と中学生くらいの子ども数人という組み合わせの人が来ていて、なにやらこれは戦争に関係していて云々ということを説明していました。そういうのってきっと、大切なことなんですよね、きっと。
 お守りはこれ。裏に「六所宮」「大國魂神社」という文字があります。この「六所宮」というのは、かつて側に国内の著名な六社をともに祀っていたことにからそう呼ばれていたのだとか。お守りらしいというか、重厚でいかにもご利益がありそうな感じで非常に頼もしいです。


戻る