ホンダ フュージョン(HONDA FUSION)

 フレームナンバーMF-002代のキャストホイールモデル。まず最初に云っておかなきゃいかんのは……確かに遅い。遅いぞ、こいつは。初代フリーウェイの20馬力エンジンに160キロ近い車重があるんだから遅くて当然なんだけど、いやもうそれでもびっくりするくらい遅い。アクセル捻るだけで進んでいくから、シグナルダッシュなら負けないんだけど。まあ、もっとも、こいつはそういうもんを求めるもんではないし、もともとそういうつもりで買ったんでこれに関しては不満はまったくなしです。スピードアップを図ろうなんてこたゆめにも思いません。要は80キロ巡航が疲れないでできりゃいいわけですから。そのへんに関してはこいつはきわめて優秀。ポジションがアメリカンバイクのそれと似てるんで、とにかく楽。車重があるんで、ゴーストップの多い市街地では多少疲れるかもしれないけど、長距離を走るんならぜんぜん。ほとんどオートマの高級車に乗ってるみたいな感じで、走ってると眠くすらなってきます。デジタルメーターとか乗り心地とか、バイクってよりもクルマですね。これは。長距離でも疲れ知らずです。

 まずスタイル。いや、これをいいと思うかどうかは賛否両論でしょうけど、わたしは少なくとも大好きです。ウナギイヌだのなんだのさんざん云われてますが、張り出しが大きくてなんとなく未来を思わせてくれるじゃないですか。特にリアからの眺めは最高です。自分のだけじゃなくて、会社に行く途中なんかにフュージョンが停まってるのを見ると、その後姿にはついホレボレしてしまいます。走ってても停まってても絵になるスクーターですよね。このデザインは、フォルツアとかマジェスティなんかの最新ビッグスクーターにも負けてないと思います。いや、性能では大幅に負けてますが。
 こいつには買ったときからオールペン&ショートタイプのスクリーンが装備されていました。ま、色はともかくとしても、このショートタイプのスクリーンはノーマルか社外品のロングタイプに戻したいなあ。正直、ショートスクリーンってあんまりカッコイイとは思えないんですが……。それなら実用性があるノーマルスクリーンに戻すのがやっぱり得策でしょう。ノーマルスクリーンって値段が高いので結局そのままなんですが。

 ビッグスクーターといえば収納スペースなんですが、よく云われているように、ビッグスクーターの中でもきわめて大きい車体を持ちながら、このフュージョンというやつはトランクルームが小さく、フルフェイスのヘルメットすら入りません。ただまあ、それでも普通のバイクと比べれば収納スペースの大きさは段違いなわけで、これに関しても不満はほとんどありません。古本屋で、駐車場が開くのを待っている四輪車を横目に、駐輪場にちゃっちゃと停めて本を大量に買って買ったものをトランクに突っ込んで帰る、なんてのはもう一回やるとヤミツキです。あとこの収納スペース、最近のスクーターの常識の、シートを空けてその下に収納スペースがってのじゃなくて、クルマのトランクみたいに後ろが開くってのもいいよね。これも四輪車を意識してのことなのか知りませんが。ま、常識的に使うのならば少なくとも不自由はしないってことです。コンビニに買い物に行った荷物なんかはもちろん余裕で入りますし。云われてるほど狭くは無いです。

 このフュージョン、後にも先にもこれだけの装備として、カラードデジタルメーターってのがついてます。これは何かってと、つまりカラーのデジタルメーターです。って、そのまんまですがそれ以外の説明のしようがありません。最近のバイクでは、デジタルメーターってのはわりとよくありますけど、こいつはそれに色がついてます。クルマのデジタルメーターみたいなもんですね。それだけなんですけど、これがカッコイイんですよ、夜中に見ると。わたしが数あるビッグスクーターからこのフュージョンを選んだ理由のかなり大きい理由がこのカラードデジタルメーターです。なんか宇宙船っぽくていいんだよなあ。
 あとはオートキャンセルウインカー。バイクのウインカーって、普通はつけたら自分で切らなきゃいけないじゃないですか。曲がり終わったらウインカーのスイッチを戻すとか、プッシュキャンセルならボタンを押すとか。こいつは違います。曲がり終わると勝手にウインカーが消えます。最初これに気がつかなくて、曲がるたびに自分でウインカーを消してたんですが、一回これに慣れちゃうともう頼りっきり。便利です。ま、ときどき消えて欲しくないのに消えてしまうこともないこともないんですが。これもやっぱりクルマの装備を意識してますね。

 エンジンは驚くほど静かです。最近のブームだとスパトラとかのでかい音のするマフラーに替えるのが流行だそうですが、こんな静かなバイクをわざわざ爆音にしてしまおうというのは正直わたしにはよくわかりません。まあたぶん、クラウンとかセルシオとかの高級車に音の大きくなるマフラーをつけて車高を下げる、所謂「VIPカーチューン」なんてのと同軸上にあるもんだとは思いますが、わたしはやろうとは思わんですなあ。こういうのって静かだからいいんじゃないかなあと思うんですが。それゆえにマフラーはもちろんノーマルです。
 加速時にバラバラと独特の音がしますが、定速で巡航しているとき、ないしはアイドリング中はエンジンの音なんてしないも同然です。前にも書きましたが、こいつに搭載されてるエンジンは初代フリーウェイに搭載されていた設計の古い4ストロークエンジンで、速度に関してはもう云うのも不毛って感じですが、音に関してはもうきわめて優秀。それまでKH125がアシだったあたしには、バイクのエンジンってのはうるさいもんだという先入観があったんで、こりゃほんとにバイクのエンジンなのかと耳を疑ったもんです。それくらい劇的でした。深夜に引っ張り出してもぜんぜん問題なしです。
 今まで出した最高速はメーター読みで120キロ。高速道路での数字です。アクセルを空ければまだまだ出そうではありましたが、このへんになってくると、巨大なボディと件のショートスクリーンのせいか風に煽られるわ、振動は出始めるわで快適な巡航とは程遠いものです。80〜90キロ程度の巡航ならば全然何の問題もないんで(やっぱり風は当たりますが)、もともとこのあたりのスピードで走るのがいいように設計されてるんでしょうね、きっと。実際それくらいの速度なら、市街地・ワインディング・高速道路、どのステージでも快適に走れます。スクリーンがショートじゃなければ風に関してももっと快適になると思いますが。とりあえずアクセルを空ければそれだけで50〜60キロのスピードへは簡単に到達するんで、市街地で他の交通のジャマになるということはまずありません(ほかの交通ペースが尋常じゃなく速ければ話は別ですが)。

 シートはふかふかでソファみたいです。座ると沈み込む感じって云うんですか。「跨っている」というよりも、「座っている」というのがまさにしっくりきます。それでいてポジションも掴みやすいのが特徴ですね。足を投げ出して座ることもできるし、普通のバイクのような姿勢をとることもできます(もちろんニーグリップはできませんが)。これはいいですね。あとはスペイシー、フリーウェイ、フュージョンの特徴右足ブレーキ。スクーターの「右手でフロント、左手でリア」というブレーキ構造ではなく、右手でフロント、右足でリアのブレーキを操作します。スクーターに慣れてると大変かもしれませんが、普通のバイクに乗っていたのならこっちのほうが自然です。また、これによって左手が完全にフリーになりますので、やろうと思えばジュースを飲んだり煙草を吸ったりもできます。やったことないですけど。
 タンデムシートはもう快適の一言。背もたれもあるのでもう後ろは天国です。タンデムシートって云うより、クルマの表現で「リアシート」って云った方がいいかもしれません。もちろんエンジンが下にあるぶん振動はきますが、体重をかけるところはあるし、ステップも広いので恐怖感まったくなし。さすがに「クルージング・2シーター」を謳うだけのことはあります。

 燃費は25km/lくらいでしょうか。ガス欠まで走ったことが無いのでよくはわかりませんが、それくらいはいくはずです。流石にホンダの4stエンジンだけあって思ったより悪くはないです。でも、ガソリンタンクがあんまり大きくないみたいで、だいたい走行距離が200キロを超えたあたりでちょっと燃料計が気になってきます。車重があるのでもっと悪いかと思っていたんですがそれほどでもない感じ。もちろん飛ばしたりすれば、そのぶんだけ燃費は悪くなりますけど。

 欠点は……とりあえずはそのボディの大きさでしょうね。この大きいボディはメリットでもありますが、当然デメリットでもあります。もう今は或る程度慣れたんですり抜けとかもできますが、それでもやっぱりKH125とかジョグでやってたようにはいきません。に停める場所にも苦労したりします。なんせ車体の長さだけ見れば、リッタークラスのマシンやアメリカンと殆ど同じ大きさなんですから。  んでもって、ボディが大きくなれば当然重くなるわけで、この車重もまた欠点です。降りての取り回しはとにかく大変。何度倒しそうになったかわかりません。燃費の悪化に繋がっていないのはいいんですが、押して歩くのには結構な体力が要ります。サイドカーみたいにバックギアがあってもいいんじゃないかと思うくらいです。
 買ってからしばらくは買った嬉しさもあってこちらばっかり乗り回していたんですが、近場ならばその取りまわしの都合上、KH125のほうが便利なんじゃないかと思い始めて、こちらは或る程度長距離走ったり、他の人と走りに行くときに他の人も126cc以上のバイクだったり(万が一高速道路を走ることになったらKH125だと困りますから)、二人乗りをしたりするときに主に走らせています。

 中古で8,000キロ走行車を購入したものですが、買ってからトラブルらしいトラブルは皆無。一度、トランク内のゴムモールが外れて無料で修理してもらいましたが、それだけ。久しぶりに乗ったときとかにちょっとエンジンがかかりにくいかなあと思うことはありますが、それはまあどんなバイクでもいっしょでしょう。さすがにメカニズムに関してはとにかく頑丈です。

 よくこれに乗っていると、「カスタムとかしないんですか」とか云われるんですが、あたしとしては改造とかの予定はなくて、ノーマルエンジン・ノーマルマフラーのままずっと乗っていくつもりです。もちろんハンドルもバーハンとかにするつもりまったくなし。むしろ、今改造されているショートスクリーンをノーマルに戻して、ついでに外装もノーマルの外装に取り替えたいくらいでして。ま、外装はカネがかかるんでいつになるかはわかりませんが、スクリーンは先立つものが出来次第さっさと戻したいところです。
 まあでも、白一色の外装にして、ホンダエンブレムの中が赤いヤツと、アコード・ユーロR用のエンブレムを買ってきて、「フュージョン・ユーロR」ってのはちょっとネタとしてやってみたいかも。「タイプR」じゃなくて「ユーロR」なのがコダワリですね。無駄な。

 ま、確かにフォルツァとかマジェスティとかと比べると設計も古いバイクではありますが、とにかくフュージョンの持つ、どのスクーターにも似ていない雰囲気は何にも替え難いものがあります。渋谷なんかではマジェスティに次いでこのフュージョンが人気なんだそうですが、それもなんか、わかりますなあ。

改造個所


・ショートスクリーン
 ノーマルスクリーンをカットしたもの。買った時からついてました。高速走行時、風がちょうど顔に当たる高さになってしまっていて、不快な上に危険でいいことありません。フルフェイスヘルメットにすればいいんですがフルフェイスだとトランクに入らないし。スクリーンに関してはできれば元に戻してしまいたいところです。
・カラードデジタルメーターバックライト照明変更
 簡単にできて雰囲気が変わります。メーター周りのプラスチックカバーを外して、照明の電球を色付きのものに変更するだけ。交換する電球は左右で二つありますので、自動車用品店に行って二つセットになった色付電球を買ってくればそれだけで済みます。ほかにも電球に被せるカラーカバーみたいなものを使う手もありますが、これだと若干明るさが落ちてしまうので、どちらかと云えば色付電球のほうがよいと思います。
 ただメーターの色が変わるだけなんですが、結構雰囲気が変わります。折角のカラードデジタルメーターなので遊ばないと損というものです。


戻る