追加メーター取り付け(2018/10)

 エンジン回りもすべてノーマルの430ですが、一度エンジンブローを経験すると神経質になるもので、せめてクルマの状態がリアルにわかる要素を少しでも増やしたいということで、追加メーターをつけることにしました。
 いろいろ紆余曲折あったのですが、結局信頼の日本精機、Defiのメーターで揃えることに。
 ネットとかだともっと安いのも売ってますが、そのへんは精度を求められるものでもあるし、ぱっと見たときに目に入ってくるものなので、それなりのものをつけたほうがいいかなと。この手のモノってけっこう値段に比例するところもありますし。
 現状、油圧・油温・ブースト・水温・燃圧の5つをつけています。

■ブースト計
 とりあえずブースト計は簡単です。
 マニホールドへいっているプレッシャーレギュレータのホースの間に割り込ませてあげるだけ。

 通常、エンジンのマニホールドの中は大気圧である1気圧よりも低い状態、つまり負圧になっています。
 ターボエンジンの場合、ここにさらに無理やり大量の空気を押しこんでやってタービンの羽根を回すことでエンジンの出力を一時的に向上させるものです(厳密にはそうではないんですが、まあ、おおむねそんなもの、ということで)。
 プレッシャーレギュレータはそのマニホールド内の圧力をコントロールしているので、そこにセンサーを挟んであげれば、マニホールド内の状態が負圧なのか正圧なのか、つまりブーストがかかっているかかかっていないのかががわかるわけですね。



 センサー自体はどこでもいいんですが、ここに固定します。



 これはどのクルマでも同じで、実はNAのクルマにもここにセンサーを挟めばブースト計の取り付け可能です。  つけたところでさほど意味はありませんが、メータに負圧のほうの動きがあるものであれば、いちおうバキューム計としては使えます。

■水温計
 本来であればいちばん簡単なのがこの水温計ですが、結果としてこのクルマの場合かなり長い間後回しになっていました。
 水温計は、ラジエータのアッパーホースを切って、切ったところにアタッチメントを挟み込み、センサーを取り付けます。
 ラジエータの冷却水は、ラジエータからロアホースを通ってエンジンの中に入り、エンジン内を冷却してからアッパーホースを通ってラジエータに戻ってきて、ラジエータは走行風でその水を冷やしてからまたロアホースに行く、という循環をします。
 ところが、通常はそれでいのですが、エンジンをかけたばかりのときは、早くエンジンを温めたい……つまり水を「冷やしたくない」わけです。
 そのためにサーモスタットがあって、エンジンをかけて水温がある程度上がるまでは、サーモスタットの弁は閉じたまま開きません。
 サーモスタットの弁はラジエータのアッパーホースに繋がっていますので、サーモスタットの弁が閉じていると、ロアホースを通って出て行った冷却水は、サーモスタットのところでアッパーホースに行かず、ラジエータをバイパスしてまたエンジン内へ戻っていきます。
 そうすることで、エンジン内で冷却水はある程度温められ、サーモスタットで設定された温度になると弁が開き、ラジエータへ水が流れ始めます。
 つまり、アッパーホースにアタッチメントを取り付ける方法では、エンジンをかけてからサーモスタットが開く温度になるまでは、後付けの水温計はウンともスンともいいません。
 ……が、これ自体はおそらくあまりたいした問題ではないと思います。
 結局、水温がエンジンに害を及ぼすくらいに危なくなるくらいまで上がるときには当然サーモスタットは開いている状態で、エンジンから戻ってくる水の温度が知りたいわけなんで、これで問題ないわけです。

 おそらくL型エンジンの場合、アタッチメントの径は36φ。ここまではいいんですが、問題はラジエータのアッパーホースを切らなければならない、ということ。
 いちおう切ってしまうからには、万が一失敗したときとかのために予備を持っておきたいんですが、新品は日産ではもう製廃になっていました。ラジエータホースが製廃って何気にかなり困るんですが。
 430のラジエータアッパーホースは、エアフロの空気取り入れ口を逃がすため、いちど下に行ってからS字型に曲がっています。
 亀有エンジンワークス等では同じく製廃になったアッパーホースを復刻していますが、これらをいくつか買ってみたものの、S字の曲がりはありますが下方向への曲がりがありません。



 いちばん長さがあった230/330セドリック・グロリア用を無理やり付けることはできましたが、エアフロの空気取り入れ口をかなり無理やり付けることになってしまいます。






 ということもあって、水温計の取り付けを後回しにしていたんですが、ダメ元で日産部品の駆け込み寺・埼玉のバラクーダに行ってみたら、なんと新品があるというではないですか。
 値段も普通だったんで、ありがたく買わせていただきました。



 あとはもともとついていたアッパーホースを2センチほど切断し、水温センサーをねじ込んだトラストのアタッチメントを挟み、ホースバンドで締めつけます。
 漏れると面倒なんでここは徹底的に。



 本来、水温センサーのセンサー部分は下にくるのが正しいんですが、うまく入らなかったんでこれで許してください。

■油温計・油圧計
 油温と油圧のセンサーは、オイルフィルタとシリンダーブロックに挟むオイルブロックを使うわけなんですが、これはなるべく精度が高いものをと思いまして、ブリッツのものを使用しました。



 3/4-M16というネジ規格のものであればなんでもいいんでしょうけど、よくわからないメーカーのものと比べても値段にそんなに差はないです。
 であればいちおうでもメーカー名のあるもののほうがいいだろうと。
 まあ、各自好きなものを選んでください。

 水温センサーもそうなんですが、最初にブロックにセンサーをネジこんでおきます。
 取り付け状態でセンサーをねじ込むのはまず無理。ネジ部分に漏れ防止用のシールテープを巻いた上でねじ込むので、相当固いです。安物のメガネでねじ込んだらメガネが曲がってしまった。
 そこまで終わったら、オイルフィルタをはずし、ブロックを取り付けます。
 ねじ込むには27mmというあまり使わないサイズの大きいレンチが必要になるので、それを忘れないように。
 その上からオイルフィルタを取り付けるわけですが、オイルフィルタはゴムのOリングで漏れを防止しているので、いちど外したら新しいものに変えるべき……なんですが、まだ変えたばっかりなんで再利用しました。たいした値段のモノじゃないのでちゃんと変えましょうね。
 もちろんしばらく様子を見て、オイル漏れや滲みがないかはチェックしましょう。当たり前ですね。

■燃圧計
 燃料ポンプの不調からくるノッキングが最近激しい、というのは以前も書いたんですが、結局あれは燃料タンクの中のサビの粉が燃料ポンプに詰まって発生していたわけで、あれって結局燃圧計がついてればある程度見当はついたわけです。
 なので今後同じようなことがないように備えておこう、ということです。

 燃圧が足りなくなるってのは実はものすごい怖くて、燃料ポンプから送りだされるガソリンがインジェクタで霧状にされてシリンダ内に吹かれるんですけど、燃料が足りないと、シリンダの中に適切な燃料が吹かれなくなってしまいます。
 それでもピストンは惰性で動くんで、以上に燃料が薄いままピストンが動き続けてしまうと、シリンダやピストンの焼きつきに繋がってしまうわけですね。
 なんで、本来激しいノッキングが起きてる状態で走ってるのはクルマにとってはとてもよろしくない状態なわけです。

 そこで、燃料タンクからインジェクタまでの圧力がちゃんときてるかどうかを測るのが燃圧計なんですね。
 燃圧計ってどうつけたらいいのかわかんなかったんですけど、調べてみたらどうやら油圧計と同じ圧力計でいいみたいでした。
 圧力計のセンサーを燃料ラインに通せばいいだけのようです。

 燃圧計は、運転席に取り付けるんではなく、圧縮計のようにボンネットを開けて都度調べるものもあるようですが、今回のケースはアイドリング状態での空ぶかしは普通にできるので、おそらくそれでは症状が出ないか出づらいかでしょう。
 なので、圧力計を別途購入して追加することにしました。

 しかしここまで買いそろえるんだったらリンクシステム付きのものを最初に買っちまったほうが安かったな。まあいいか。

 取り付け用にトラストの3ウエイのホースコネクタとバルブ、ホースバンドを購入し、こんな感じのものを作成。



 ネジ部分にはシールテープをしっかり巻いておきます。
 このシールテープが甘くて、取り付け後に燃料がにじんできてしまい、あとで一度巻きなおしてるのは内緒だ。
 とかく尋常でない高圧がかかるところですし、燃料は漏れると怖いのでここはしっかりやっときましょう。

 これを燃料フィルターからエンジンへ行くホースの間に挟み込みます。
 当然ですが、燃圧がかかった状態だとエンジンを切ってても燃料が吹き出してくるので、燃料ポンプのリレーを抜いて軽くクランキングし、燃圧を抜いておきます。
 それでも若干漏れてくるので、フィルタの付け根の部分をクリップで止めて作業しました。



 こんな感じ。
 写真だとホースバンドが止まってませんが、このあとホースバンドでいやってほど締めつけてあります。
 取り付け後はしばらくアイドリングし、さらにちょっと走らせて、燃料が漏れたり滲んだりしてないことを確認して終了。

■取り回し・配置
 ボンネットから車内への引き込みは、とりあえずドアを挟む形で。
 断線してしまいかねないので、これは機を見てちゃんと直してあげないといけないですね。
 室内側は、BATT、IGN、ILL、マイナスの4つの線が出ています。
 ILLとIGNは取り出してないので、ILLは繋がず、IGNはACCで代用。
 BATTの線は、エンジンオフの際にメータを0位置に戻すために使っているので、止まっているときに針の位置がエンジンオフのときの位置を指しているのが気にならないのであれば繋がなくてもかまいません。

 配置は試行錯誤の結果、ぱっと見たときになるべく目立たず、かつ運転中に見える位置ということで、こんな感じになってます。



 これでも結構ちゃんと目に入ってくるもので、それでいながらぱっと見たときにはメーターが目立たないのでこれはこれでいいんじゃないかな、と。



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