サイドマーカーを光らせる

 以前にも書いたとおり、わたしの430はウインカー以外の灯火をLEDに変更してあります。
 LED化することで、ヘッドライトやテールランプの消費電力が減り、今になってはちょっと心もとないオルタネータの発電容量に対しての不安がなくなりました。
 電圧計はヘッドライトを点燈してもほとんど動きません。ウインカーをつけるとウインカーに連動して微妙に針が動くので、リレーと電球が食っている電気は案外バカにならないものです。
 また、ヘッドライトもハロゲン球に比べると圧倒的に明るいので、そこも安心点です。配光も問題ありません。
 デメリットとしては、上記メリットの反対側ですが、最新の車のような真っ白い光になるので、旧車の雰囲気には合わなくなってしまうことがひとつ。
 そして、テールライトについては、消費電圧が減ることで車が球切れだと勘違いし、メータ内にある球切れ警告燈(STOP/TAIL警告燈)が点いてしまいます。
 まあ、これはメータ内の電球を引っこ抜いてしまえばいいんですが、実はこの球切れ警告というのが今回の加工にひっかかってきます。

 430はボンネットの先端にフェンダーマーカーがついています。
 フェンダーマーカーってのは、ボンネット先端の左右についている光るやつですね。
 今時走ってるクルマでは、タクシーのクラウンセダンとかにしかついていませんが、ちょっと前までクラウンとかの高級車には必ずついている、高級車の証みたいなもんでした。
 クラウンでは170系まではついていて、その次のゼロクラウンになったときになくなってしまったようです。ヘッドライトがフェンダーやボンネットにダイナミックに食い込むデザインでは、そもそも付けにくいんでしょう。

 でまあそれはともかく。
 430にもこのフェンダーマーカーがついているんですが、このフェンダーマーカー、ヘッドライトのモニターランプになってるんですね。
 つまり、通常の状態ではヘッドライトオンでこのマーカーが光るんですが、ヘッドライトのバルブが球切れを起こすと切れてるほう(例えば右側のバルブが切れたら右側のマーカー)が消燈し、ヘッドライトのバルブ切れをドライバーに知らせてくれるというわけです。
 それ自体はよくて、まあ便利な機能ですねってなもんですが、これもテールライトと同じく、バルブの抵抗値でバルブ切れを検出しているので、バルブを抵抗が少なくなるLEDバルブに変えてしまうと、クルマはヘッドライトのバルブが切れていると勘違いし、フェンダーマーカーを消灯してしまうわけです。メーター内の警告燈と間逆ですね。

 まあ、走行に関係あるものではないんで別にそれで困らないんですが、せっかく光るものがついてるんだから光らせたいじゃないですか。やっぱりあれがボンネットの隅で光っていてこそ一昔前の高級車、ってのもありますし。
 いちばん簡単な方法は、バルブを普通のハロゲンに戻すことなんですが、それもなんかなあ、というのもあります。
 もうひとつは、ヘッドライトの回路の中にハロゲン球と同じだけの抵抗を入れてやること。
 昔からHIDやLED化したときに同じ理由で警告燈がつくクルマや、同じく電圧で球切れを検知してハイフラッシャーになってしまうウインカー球のLED化等では定番の方法ですが、ヘッドライトの配線にもうひとつハロゲン球を割り込ませ、ヘッドライトとは別にボンネットの中など見えないところでハロゲン球を光らせるという方法ですね。
 ただ、これだと結局ハロゲン球を光らせているので、LED化の一番のメリットである省電力化という目的は果たせなくなります。
 それなら加工の手間を考えたら、普通にハロゲンに戻したほうがマシです。

 どうしたもんかというのを配線図を見ながら、どうやらヘッドライトからリレーを介してこのマーカーに来ているようなので、このリレーやリレーへ行く配線を加工するかとかいろいろ考えてみたのですが、考えてみればこれ光るところはただの電球なんだから、普通に12ボルトをくれてやれば光るんじゃ、という当たり前の結論に行きつきました。

 で、実際にこのフェンダーマーカーを外してみると、フェンダーマーカーと車体は普通にギボシでつながってるだけで、フェンダーマーカー自体からは配線二本しか来ていません。
 試しにその配線に12ボルトを食わせてみたら、案の定光りました。そりゃそうだ。

 ここまでわかればあとは早いです。
 ついでに本来、ヘッドライトモニターとして使っている以上はヘッドライトONではじめて光り、スモールではこのランプは点かないのですが、せっかくなのでスモールONで点燈するように加工することにします。
 もちろんそのまますぐに戻せるよう、車体や車体からの配線へは極力手を加えません。

 まず、スモールとフロントウインカー部分を外し、スモールの線から分岐タップで配線を取ります。



 これを外して、



 こうするわけですね。
 黄色いケーブルが後から付けたものです。

 このクルマは買ったときにコーナーポールがついていて、コーナーポールへの配線にこのスモールからの分岐タップがついていたのでそれをそのまま使うこともできたんですが、このタップ自体がかなり古いものだったので新しく付けなおしました。
 これがプラスの配線になるので、マーカーランプの片方にこれを繋ぎます。



 もうひとつは、適当なところからボディーアースを引っ張ってきて、これをもう片方へ繋ぐだけ。
 反対側も同じです。
 ただし、ここの電球もあわせてLED化したのですが(ちなみにここの電球はBA7sという電球が使えます。バイクなんかのメーター照明に使われるものなようです)、LED化してしまうとプラスとマイナスの極性がついてきますので、極性だけ見る必要はあります。
 といっても、つかなければプラスとマイナスを反対にするだけですけどね。

 これで、スモールONに連動して点くようになりました。




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